記録しないと、途絶えてしまう。
バルバをオープンさせる前まで、私は縁あって同じ富士町内のお蕎麦屋さんで働いていた。
ある時、同僚、と言っても大先輩だけど、働きもののおばちゃんが職場に持参してくれた自家製の「大根の柚子漬け」にいたく感動した。
”この味を自分でも!”と思った私は、すぐさまそのおばちゃんにレシピを尋ねた。
『レシピは無かよ。味で覚えとる。』
あぁ、、、、。

その当時、おばちゃんはもう御年80歳。
驚くほどパワフルとは言え、このままでは早晩この世からこの味が失われてしまう。
感動するほど美味しいのに、途絶えていくのは勿体無さ過ぎる。
思えば、山に暮らしている中で、そんな出来事に何度も出くわしていたことに気がついた。
ならば私が感動したものを記録として残し、世の中に共有することで
社会の財産として受け継いでいくことができないか。
そうやってはじめるのが、私のライフワークプロジェクト「レシピとか無かよ。」です。
第一回目は、このプロジェクトをはじめる大きな契機となった蕎麦屋の同僚で働きもののおばちゃんこと、
山本満恵さん(83歳)。絶品「大根の柚子漬け」を通して、満恵さんの人生史も伺います。
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。