美味しいコーヒーが飲める面白い空間を作りたい。
天野徹平(あまの・てっぺい)さんと店主は同じ大学の出身。しかも出身中学まで同じだったことが依頼後に判明するなど、何かとご縁が繋がっていた天野さんは、大学卒業後にオフィスの内装デザイナーを経て、建築事務所へ丁稚に入り一級建築士になったという叩き上げの建築家さんです。そんな天野さんに「バルバの内装」を中心にお話を聞きました。

(天野)
そもそもの話になるんですけど、barva(バルバ)という店名の前にカフェ単体ではなくスペースを付加して、カフェスペースと付けているのは何故なんですか?
(矢野)
カフェをやりたいと思ったのは大学生の頃なんですけど、当時通っていた大学が統合※1されることになったんです。
わたしにとってはアイデンティティを考える契機になった出来事で、、、。
画像設計というグラフィックデザインを学ぶような学科にいたものの、自分はデザイナーには向いていないなと思っていて。
じゃあ、わたしは何ができんだろう?と考えていたんです。
大学時代、色んな面白いイベントをやっている空間とかカフェに顔を出していたんですけど、そこで出されるコーヒーが美味しくなかったんですよね。素直に美味しいと思えるコーヒーが無い。でも、ここに美味しいコーヒーがあったら最高だなって。
じゃあ、わたしは美味しいコーヒーを淹れれるようになりたいなって思ったんです。
よくよく考えると、学内の他学科には建築設計を学ぶ人もいれば、インテリアデザインを学ぶ人もいる。音楽を学ぶ人もいる。ウェブとか情報の扱いについて学ぶ人もいる。
そのとき思ったんです。あれ、これ「カフェ」が作れるなと。
美味しいコーヒーを飲みながら面白い展示やイベントを楽しめる空間(カフェ)。わたしはそれがやりたいなって思ったんです。
自分は何ができるんだろう、やりたんだろうってところから、美味しいコーヒーを飲みながら面白い空間(スペース)を作りたいと考えて。
それがカフェスペース、なんですよね。
わたしは美味しいコーヒーが目的ではなく、空間(スペース)が目的なんです。そして、その空間ではコーヒーは美味しくて当たり前、という感覚だからこそ、ちゃんと美味しいコーヒーを淹れないといけないと考えているんです。
(天野)
へぇーーーーーー。コーヒーが好きで好きでたまらなく、がスタートではなかったんですね。
(矢野)
実は、そうなんですよ。実はですね、当時から卒業してある程度ちゃんと経験を積んで力をつけた状態で集まれば本当にカフェができて面白いだろうなと思っていたら、巡り巡ってこうやって同窓生に設計してもらえて、、、。ツール類もまた別の同窓生にデザインしてもらえて…。
だからなんか、すごく感慨深いんです。
第二回では、天野さんにバルバの内装設計の考え方などについて具体的に話を聞いていきます。
※2003年、芸術工学部のみの単科大学であった九州芸術工科大学が九州大学に統合された。
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